ハウスメーカーと工務店、どちらに頼めばいいの?
注文住宅を購入する場合に、ハウスメーカーか工務店のいずれかに建築を依頼することになります。両者とも基本的なサービス内容は同じですが、会社の規模や自由度などの面で違いがあります。どちらに依頼するかはケースバイケースで、希望する間取り・設計やアフターサービスなどの面を考慮した上で決めることが大切です。
一般的にハウスメーカーと工務店を比較した場合、企業の規模と施工エリアの点で違いがあります。ハウスメーカーは広い範囲をカバーしているのに対して、工務店は地域密着型で施工を依頼することができる範囲が限られています。大手ハウスメーカーであれば、北海道や九州で住宅を建てる場合でも東京に本社を置く会社に依頼することが可能です。工務店の場合は地元に限られていて、事務所から離れた場所だと施工を断られてしまう場合があるようです。
ハウスメーカーは会社の規模が大きいことに加えて、大手家電メーカーや建材メーカーの子会社やグループ企業であるケースが少なくありません。例えばパナソニックホームズは建材や家電メーカーのパナソニックのグループ企業ですし、旭化成ホームズは総合化学メーカーの旭化成の完全子会社です。このようにハウスメーカーはメーカー系の子会社であることが多く、建材や電化製品の多くを親会社から一括で仕入れることができます。そのため、親会社が製造するグレードの高い建材や内装材が使用されます。
ハウスメーカーは土地の形状や施主の希望に応じてオーダーメイドで設計を行いますが、基本的な構造や間取りなどの規格は最初から用意されています。ユーザーは、いくつか用意されているシリーズの中から選ぶことになります。ハウスメーカーも建物の設計・建築・施工サービスを行う会社ですが、製品を販売するという側面が強いといえるでしょう。アフターサービスについても保証範囲が定められていて、製品を作る会社に近いと考えることができます。
地元密着型の工務店はハウスメーカーのように製品を販売するというよりも、建物を建てるサービス業とみなすことができます。施主はいくつかのパターンから選ぶのではなく、希望を伝えてフルオーダーで設計・建築をしてもらうことになります。このため自由度が高く、ハウスメーカーでは断られるような独特のデザインの家を発注することも可能です。ただし工務店に依頼するとフルオーダーの作業となるので、建築費用が高くなってしまうというデメリットもあります。